ようこそ中部盲導犬協会のホームページへ

文字サイズ テキストページで表示 グラフィックページで表示

サブメニュー一覧
ホーム » 盲導犬について » 盲導犬について

盲導犬について

盲導犬の歴史

視覚障害のある人のガイドとして犬を訓練したと明確に記されているのは18世紀以降で、1819年にヨハン・ウィリアム・クラインというウィーンの神父が、犬の首輪に細長い棒をつけて訓練したのが最初といわれ、その後、第1次世界大戦などで失明した軍人のために、1923年にドイツに盲導犬を育成するための学校が設立されました。その他、スイス、イギリス、フランス、オーストラリアなどの国々においても、盲導犬の育成事業は早くから進められました。また、アメリカでは警察犬の実用化を研究するためにヨーロッパ滞在中であった米国人のドロシー・ユースティス夫人が盲導犬の活躍に関心をいだき、スペインのベベイにある盲導犬学校を訪問し研修の後に帰米し、1929年にニュージャージー州のモリスタウンに、ザ・シーイング・アイ盲導犬学校を設立しました。

 

日本に初めて盲導犬が紹介されたのは1938年(昭和13年)にアメリカの盲導犬使用者が日本に立ち寄り紹介されたのが最初です。その後1957年に国内ではじめての日本人の育成で国産盲導犬第1号「チャンピイ」が誕生します。

その後日本各地に盲導犬協会が設立され、2014年4月現在では全国に11ケ所盲導犬育成施設があり、それぞれ協力をしながら独立して運営をしています。



盲導犬に向く犬の種類

日本では、ラブラドル・リトリバ-という犬が多く使われています。体重が25kg~30kgくらいの犬で、明るく優しい性格で人と一緒に仕事をするのが大好きな犬です。 他にも、ゴールデン・リトリバーやラブラドールリトリバーとゴールデンリトリバーの一代雑種(F1)などもよく使われています。

 

盲導犬の訓練

盲導犬は、適性のあるオスメスの繁殖犬を交配させて繁殖しています。協会所有の繁殖犬以外にも、国内外の各盲導犬協会と相互に協力しあう取り組みも行なっています。
誕生した仔犬達は、生後2カ月~1歳までの期間、パピーウォーカーという仔犬飼育ボランティアの家庭に預けられ、たくさんの愛情の下、人を信頼して共に生きるため、人間社会の基本的なルールを学びます。毎日の運動や家族と一緒にいろいろな所に行くなかで、将来様々な環境に適応するための基礎を作ります。
生後1年経って協会に戻ってきた犬たちは、まず適性テストを受け、身体的にも性格的にも盲導犬としての適性があるか審査します。
その後、日常的に必要な基礎動作である「座れ」「伏せ」「待て」「来い」といった服従訓練や、路上での基本訓練・誘導訓練を行っていきます。

 

ハーネスとは

盲導犬が着けるハーネスは、視覚障害者を誘導するときに用いる道具で、盲導犬の体に着ける胴輪と背中の部分にくるUの字型のハンドルから成り立ちます。

素材は革で、白く着色されています。このハーネスの形状は道路交通法でも定められており、盲導犬以外の犬は着けることができません。ハーネスのハンドル部分を持つことにより、盲導犬が障害物を避けた動きや、段差で止まった動きが手に伝わってきます。

 

歩行ルール

中部盲導犬協会では、犬を建物のある壁側に持って歩くという歩行ルールがあるので、道路の左端を歩くときは盲導犬は左側、右端を歩くときは盲導犬は右側に持ちます。

このように建物のある壁側に犬を持ち替える「左右両手持ち」の歩行方法は、特に歩車道区別のない道(車道)を歩く時、安全で最短距離を効率よく歩くことのできる、メリットの多い歩行方法です。
命令語は、母国語であり使いやすいという理由から、基本的には日本語を使用しています。

 

盲導犬と歩くこと

盲導犬の主な役割は、大きく分けると4つです。

1.交差点や道路の角で止まり、その位置を知らせる、方向を変換する指示に従い方向を変えること。
2.交差点から次の交差点まで、その間にある障害物を回避し主人を安全に誘導すること。
3.指示により、近くの目的箇所や目標物へ誘導すること。
4.歩道や段差、階段を発見して止まること。

また、車が接近している時に盲導犬使用者(ユーザー)が発進の命令をした場合は、盲導犬は指示に従わず歩き出さないような訓練もしています。
盲導犬が信号の色を判断することはできませんし、目的地まで連れて行ってくれるわけでもありません。
白杖とおなじように、視覚障害自身が目的地までの地図を把握し道順を覚えて、様々な情報を得ながら状況判断して歩きます。

同時に、盲導犬に適切な指示を出しながら、犬が集中力を保ち積極的に作業できるようにコントロールしていきます。
盲導犬歩行は、視覚障害者と盲導犬が協力し合い、補い合いながら安全に歩く共同作業です。

 

盲導犬の育成にかかる費用

1頭に約500万円くらいかかります。視覚障害者には無償で貸与しています。 盲導犬の育成費の約90%は市民の皆さんからのご寄付や募金に支えられており、残り約10%が助成金などで賄われています。

盲導犬の引退

盲導犬は約2歳頃盲導犬使用者(ユーザー)と一緒に生活を始め、約10歳頃(貸与規定の変更に準ずる)引退を迎えます。

犬の10歳は人間でいえば60歳くらいでまだまだ元気ですが、育てていただいたパピーウォーカーや引退犬ボランティアのお宅で、家族の一員としてのんびりと過ごします。

盲導犬を引退させることは盲導犬使用者(ユーザー)にとってつらいことですが、同時に、今まで盲導犬と一緒にできたことができなくなり、生活が不便になるということも意味します。

新しい盲導犬とまた新たな1歩を踏み出すことができるよう、円滑に次の盲導犬の代替訓練を行なうようにしています。

 

盲導犬慰霊碑について

盲導犬サーブを始め、視覚障害者とともに歩いてきた盲導犬達や盲導犬協会に関係のあった犬達の魂は、名古屋市南区にある呼続公園に隣接する緑豊かで閑静な「長楽寺動物霊園」の中にあります、盲導犬慰霊碑で安らかに眠っています。春と秋のお彼岸には、盲導犬ユーザーが集まり慰霊祭をおこない、貢献してくれた盲導犬達やその年になくなった盲導犬達も供養していただきます。慰霊碑の横には、動物の無病息災の守護神である「動物守護観音」様が優しく見守られ、前には動物達の礼拝堂が位置します。
盲導犬慰霊碑の建立については、「天国に行ったサーブ」(講談社:手島悠介著)に詳しく載っていますが、土地は長楽寺さまより無償貸与いただき、石碑は愛知県石材組合さまよりご寄贈いただきました。

盲導犬慰霊碑は目の不自由な方々にとって、かけがえのない光であった盲導犬達の供養と安らぎの場として、また一般の方にあっては、日々の忘れがちな福祉の大切さを思い起こさせる象徴の場となっています。名犬サーブ号もここに眠っています。

 

盲導犬慰霊碑DSC_1238

 

宗教法人 稲荷山長楽寺 総本山 長楽寺動物霊園


〒457-0014 名古屋市南区呼続4-13-18

TEL:052-811-6036・6073
URL:http://www.chourakuji.org/chorakuji/

【 お車での所要時間 】
和合より27分
清洲インターより25分
勝川インターより30分
桑名より30分
知立より25分

 

【 交通のご案内 】
地下鉄・・・・・・・・・桜通線「桜本町」駅より歩いて8分
市バス・・・・・・・・・神宮東門より39系「呼続」下車、または新瑞橋より23系・135系「桜本町」下車
名鉄・・・・・・・・・・名古屋本線「桜」駅下車 西へ歩いて5分
名古屋高速・・・・・・・出入口は「堀田」「呼続」

 

                                  (長楽寺動物霊園パンフレットより抜粋)

 

353